7月27日(土)朝日新聞東京版朝刊読書面・ひもとく

選挙と社会 「目に余る選挙」が可視化するもの   ルポライター 安田峰敏

今月7日に投開票された東京都知事選挙は現職の小池百合子氏が圧勝したが、小池氏よりも話題になったのは、一部の候補者らの
行動だった。

選挙ポスター掲示枠の「販売」や卑猥な画像の掲示、女性候補者が政見放送中に上着を脱ぐなど、目に余る振る舞いが多々
見られたのだ。

 昔も大量立候補

もっとも、「目に余る選挙」はいまに始まった話ではない。『ヤバい選挙』(宮澤暁著、新潮新書・814円)によれば、
1964年の東京五輪の前年、都知事選には右翼系の泡沫候補が大量に立候補。著者は五輪前に革新系都知事を
当選させないための自民党の戦略だったと書く。

泡沫候補たちは、野党統一候補である阪本勝の選挙活動を執拗に妨害した。有権者の勘違いを誘うためか、阪本と名前が似た
候補者も2人おり、1人はなんと戸籍上で死亡扱いとされた人物であった。

(以下略)