>>809 (続き)

反欧州連合(EU)の姿勢は右派政党に普遍的ですが、左派にも見られます。さらに欧州全体でみると、EUへの信頼度は
上がっている。反EUで右派が伸びたとはいえないのです。

反移民や反EUとは無関係に、政権与党への批判票として右派に投票する人も多い。右派支持と所得との相関もほぼないので、
低所得層が右派に投票しているともいえません。

西欧で右派政党が伸びているのは「右傾化」というより、政党政治の変化が大きいと思います。かつての西欧では、政党が
労働組合などの組織と結びついていました。そうした伝統的な政党が衰退し、右・左を問わず新興政党が台頭して、選挙の
たびに結果が揺れ動くようになった。フランスはその典型です。

東欧では、共産主義体制の崩壊後に、極右から極左まで政党が乱立しました。西欧も政治が流動化し、当時の東欧に近くなったと
いえるかもしれません。

欧州で右派政党が伸びているといっても、それぞれ主張も支持される理由も違います。「欧州が右傾化している」と一口に
言ってしまうのではなく、国ごとの差異に目を向ける必要があると思います。

(終り)