>>872 (続き) (耕論「安倍氏の記憶の現在地」)

具裕珍さん 政治学者、国際基督教大学助教   保守派 続くリーダー探し

私は「保守化」や「右傾化」と呼ばれる現象に関連して、日本の政治と社会の関係を研究しています。

冷戦が終わり、世界中で保守勢力が台頭しました。日本でもナショナリズムや歴史修正主義といった主張を掲げる勢力が台頭し、
保守化や右傾化が注目されてきました。ただ欧州などと異なり、日本にはこれまで有力な極右政党が存在せず、社会の保守から
極右までの様々な要求が既成政党である自民党に集約されてきました。

私は自民党に集約され、右傾化を支える社会勢力を「保守」と呼び、代表的な団体である日本会議の動員や政策提言活動に注目して
分析を続けています。特に「戦後レジームの総決算」を掲げ、憲法改正を目指していた第2次安倍晋三政権の存在が大きかったのは
間違いないでしょう。

日本会議が1997年に設立された当初、最も関係が深かった政治家は自民党政調会長などを歴任した中川昭一氏でした。中川氏が
死去した後は、安倍氏への期待が高くなりました。2012年から20年まで、第2次安倍政権が結果的に長期政権になったことは
非常に重要で、日本の政治空間で、保守的なテーマがある種タブーでなくなったのではないかと思います。

(続く)