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 ただ、当初、声は大きなうねりにはならなかった。

 新潮社を巡っては、18年にLGBTについて「支援の度が過ぎる」という趣旨の
寄稿や企画が批判され、休刊に追い込まれた月刊誌「新潮45」の件が記憶に新しい。
この関係者は「(社内で)休刊時のような騒動を繰り返したくない意地があった」と話す。

 そんな中、事態が動いたのは8月4日。
コラムで名指しされた在日コリアンで作家の深沢潮さんが会見した。

 「怒り、悲しみ、吐き気、そして恐怖といった感情が混じり合って、しばらくぼうぜんとした」。
弁護士が同席した会見場で、深沢さんは、声を詰まらせながら、傷ついた思いを語った。
30歳で日本国籍を得ていることにも触れ、
「レイシズムに基づいた差別扇動や事実誤認があるコラムが、
信頼していたデビュー版元の媒体に載ったことは、私1人で済ませていい問題ではない」
と、声を上げるに至った経緯を語った。