>>174 (続き)

そのパレスチナ西岸を6月上旬、取材で訪れた。聖地として知られ、住宅や商店が密集するエルサレムから車で
30分ほどだが、景色は一変し、砂と岩ばかりの乾燥した丘陵地帯が目の前に広がる。

ユダヤ人入植者によって集落を追われたパレスチナの人々に話を聞いた。ムハンマド・ミリハトさん(56)は、
昼夜を問わず現れる入植者から暴行を受けたり、銃口を突きつけられたりしたと語った。イスラエルの警察に
助けを求めても、近くで見ているだけだったといい、「家族を守るためには逃げるしかなかった」とため息を
ついた。

現在、本来の住居から離れた土地に避難して暮らすが、ガスは使えず、料理をするにも火をおこさなければ
ならない。必死に訴えかける彼らの声を聞き、その窮状の深刻さを思い知った。

(続く)