9月26日(金)朝日新聞東京版朝刊3面・ひと

軍国少年の戦争体験と平和への願いを朗読会で伝える俳優  楠年明さん(91)

その肉声がラジオから雑音混じりに流れると、大人たちは突然泣き崩れた。「ああ、負けたんやな」。
空襲で焼かれた故郷の大阪を離れ、広島・尾道近くの集団疎開先で聴いた玉音放送の記憶だ。

当時11歳。軍国教育をたたき込まれ、「天皇陛下のために命を捨てる」と本気で思っていた。
それが敗戦後にがらりと変わる。「国家なんて信じられない。子ども心に怒りがこみ上げてきて」

(続く)