>>257 (続き)

 ――飢え、恐怖、苦痛の中で兵士の心身が壊れてゆく描写は何度見ても苦しくなります。

「いきなり弾が飛んできて、体から内臓が噴き出て、人生が終わる。そんな戦場を肌感覚で体験してほしいと思って
作りました。殺されるのはもちろん、人を殺すのは、どれほど嫌か。理屈抜きで、戦争への嫌悪感を伝えたかったのです」

「大岡昇平さんの小説『野火』は高校生の時に読んで感動し、いつか映画にしたいと思っていました。元兵士の方たちに
話をうかがうなど、長年準備をしていましたが、『意義はあるが、お金がかかりすぎる』と出資を断られ、なかなか
進みませんでした。それがだんだん『日本軍がボロボロになってゆく話は不謹慎』と拒絶されるようになってきた。
何かが変わってきたと感じていた頃に、原発事故が起きました」

(続く)