>>351 (続き)

7年前の冬に聞いた言葉を思い出す。当時、テレビ局のTOKYO MXが逆風の中にいた。米軍基地反対運動について、
根拠のない情報を流したためだ。

同局の大口取引先だった化粧品会社の関連企業が作った番組で、MXは内容をよくチェックしていなかった。企業側が
反省の色をみせないなか、MXが関係を断ち切れるのか注目が集まっていた。

経営トップの後藤亘会長(当時)を出先でつかまえると、番組を終えることにしたと言って、こう続けた。

「営業的には苦しくなる。だけど、放送の持つ存在感を失うんだったら、放送なんてやめたほうがいいもんな」

MXがしたことは罪深かったが、最後の最後で放送人の矜持を見た気がした。

いま再び株主の攻勢を受けているフジはどうか。自業自得だし、出直しを求められるのは当然だが、放送局として
守り抜くべきものは見えているだろうか。

米投資ファンドへの抵抗は、単なる組織防衛のようも映る。「テレビ屋の意地」が言葉になって聞こえてこないのを
残念に思っている。

(終り)