11月15日(土)朝日新聞朝刊・天声人語

国旗は、日章旗とする。国歌は、君が代とする。1999年に出来た国旗国歌法は2条しかない。
じつは小渕内閣がまとめた国会提出前の草案には、第3条があった。「国民は、国旗及び国歌を
尊重しなければならない」

では、何をしたら尊重していないと見なされるのか。日の丸の横幅だけを広げたらどうか。
法案を審査する内閣法制局に尋ねられ、答えられなかった。国旗国歌は「尊厳が保たれるように
扱わなければならない」と直したが、最後は、官邸が自ら削った

キーパーソンだった古川貞二郎・元官房副長官に理由を聞いたことがある。「国の基本に関わることが
紛糾の種になるのは避けるべきだ。『尊重義務を守らないのはけしからん』と、いらざる議論を始める
人が出るかもしれないと考えた」

(続く)