>>409 (続き)

強さとは何だろうかと考え込む。大国の顔色を窺うのではなく、自分たちの考えに基づいて
毅然とした態度で自らの意見を述べる様は勇ましい。そうした姿を頼もしく思う人も多いだろう。
しかし、こうした発言によって、経済や文化の領域で行われている交流に影響が出る。
ほとんどの物資を自給できないこの国にとっては、強さではなく、経済的な弱みばかりが
あらわになっていると感じる。

ここ数年、アジア各国で公演を行うアーティストが増えた。特に中国で日本の音楽の需要は高く、
中国での活動に活路を見いだし、そこで得た収入をベースに活動を続ける若い人たちもいる。
彼らは現在の政治的な状況をどう感じているだろうか。

表面上の強さには、確かに魅力的なところがある。断定的な言葉、揺るぎない姿勢、
それらに魅かれる気持ちが自分にもいくらかある。

胸を張って他国との緊張を選ぶことは強さだろうか。実利を考えて言葉や態度を選び、
外交上の荒波を巧みにかき分けて船を進めるような舵取りこそが、一筋縄ではいかない
「強(したた)かさ」ではないかと思う。

もっとも、多くの人が現在や未来に求めているのは、強さではなく豊かさではないか。

(終り)