>>419 (続き)

漫画が掲載された56年12月8日、朝日新聞の社説は「本年度の人権問題のうち、質的に
もっとも大きなものは、犯罪捜査と基本的人権の問題」と書いた。冤罪事件の京都五番町事件
(55年、傷害致死事件)や二俣事件(50年、強盗殺人事件)などで拷問による尋問、自白強要が
あったとして問題になっていた。

当時、人権侵害の捜査といえば戦前の治安維持法下の特高警察を思い起こす人も多かっただろう。
敗戦の2カ月後、連合軍総司令部(GHQ)の「人権指令」によって治安維持法は廃止され、特高は
解体された。

しかし荻野さんによると、人脈や手法が継承されたまま、戦後の治安体制は再生された。
公職追放された内務官僚も復帰、50年代半ばまでに治安体制が確立した、という。

「その体質は今日の大川原化工機をめぐる冤罪事件にまでつながっている」と荻野さん。

罪を認めなければ身柄拘束が延々と続く「人質司法」も人権侵害だとして、国連から長年、
是正勧告を受けている。

(続く)