>>510 (続き)

 ――スパイ防止法を廃案に追い込んだ80年代のような危機感が政界にも社会にも薄いように
 感じます。

「当時は保守政治家の知恵として、情報機関は欲しいけれどもいったん作ってしまうと暴走して
コントロールがきかなくなるのでは、というバランス感覚があったのだと思います。しかし、
戦争を知る世代がいなくなったことの反映でもあるのでしょう」

「政治家も国民も、政府が重大な局面でうそをつく、ということを肌身で知りません。国家権力が
暴走することへの警戒心が消えています。例えば、満州事変は関東軍の謀略から始まったのです」

「日本が戦後80年間、CIAのような機関を持たずにきたことの意味をどこまで真剣に考えて
いるのでしょうか。『戦争しない国』として再出発し、情報機関をあえて作ってこなかった、
その重みを受け止めて欲しいです」

(続く)