>>554 (続き)

 ――当初は共産党員を摘発対象にしていたはずの治安維持法が、法改正や解釈拡張が重ねられる
 中でそれ以外の様々な人々への弾圧に使われていった歴史を紹介してこられましたね。

「28年の法改正で、共産党員でなくても『目的』を助ける行為をしたら有罪にできるよう、
目的遂行罪が新設されました。少しでも共産党とかかわりが生じたと当局がみなせば検挙できる
ようになり、30年代半ばには共産党の組織は壊滅に追い込まれています」

「続いて30年代後半には国体を『変革』する行為だけではなく、国体を『否認』しただけでも
検挙を可能とする運用への転換が進みました。現実の国家権力を否定したり蔑視したりするだけ
でも治安維持法に問える、とする解釈拡張です。行為だけではなく内面や思想に基づいて政府が
人々を選別していく動きが、本格化しました」

(続く)