10月10日

 再起を図りたい心情は分かるが、冗談も休み休み言ってもらいたい。新党、民主改革の会の小川淳也代表は9日の記者会見で、旧民主党勢力の再結集を目指す考えを示した。政権交代前の平成19~21年の姿を挙げ、自分たちはその「反省の上に立っている」と語った。

▼だが、反省はどこに生かされているのだろうか。旧民主は野党時代から外交・安全保障問題で党内が一致せず、与党になってもまとまれずに自壊した。中道改革連合もまた米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題で折り合いがつかず、立憲民主党系と公明党系で別れることになった。

▼「(外交・安保問題は)現実路線を踏まえて軌道修正すればいい」。御厨貴・東大先端科学技術研究センター教授(当時)は小紙の21年8月5日付インタビュー記事で旧民主をかばっていたが、そうは問屋が卸さず、日米同盟をはじめ外交・安保はガタガタになった。

▼旧民主が政権交代前夜に高々と掲げた政治主導やマニフェスト(政権公約)という言葉も、うかつに使うと恥ずかしい死語となった。公約の子ども手当は半額となり、高速道路無料化はごく一部に限定され、天下り全面禁止は骨抜きとなった。廃止されるはずのガソリン税の暫定税率は現状維持で「埋蔵金」は見つけられなかった。

▼「あの失敗、挫折、経験があるからこそ、今がある」。小川氏はこうも語ったが、そんなに胸を張れる今なのか。旧民主政権の惨状を覚えている国民は少なくない。日経平均株価が約6万9千円の現在から、8100円台まで落ちた野田佳彦政権当時に戻りたい人は少ないだろう。

▼旧民主勢力が再結集しても、「悪夢の民主党政権」(安倍晋三元首相)を思い出させるだけだろう。