2017/5/14(日)18:30

「ひぐらしのなく頃に」(07th Expansion)。2002年夏のコミックマーケットで第1作「鬼隠し編」が頒布され、2004年に突然のブレークを果たしました(画像は公式サイトより)
ねとらぼ
 「嘘だッ!!!」

 ぎゃあーーーーっ!!

 いやー面白怖かったですよね、「ひぐらしのなく頃に」。ゼロ年代を代表する大ヒットホラーゲームとして話題をかっさらいました。

 そもそも「ゲーム」と呼んでいいのか議論が分かれる、選択肢無しの一本道シナリオ。手がグローブみたいに丸っこい、癖の強い絵柄など。いろんな要素が化学反応を起こした結果、数多くのゲーム機に移植されて、アニメ化、実写映画化と快挙を成し遂げました。

 バカ売れしたゲームは他にもたくさんあります。じゃあなんでこれがインターネット回顧録なのか。作品の盛り上がりにインターネットが大きく関わっていた、当時としては珍しいケースだったからです。

●全然知らない人からいきなりタレコミメールが届いた

 私が体験版を知ったのは2004年8月1日(※)。全然知らない人からいきなりメールで「とにかくすごい同人ゲームが出たから紹介してくれ!」ってタレコミをいただいて、かーずSPで紹介しました。Flash新作以外でタレコミメールはほとんどもらわなかったので、そうさせるほどのエネルギーに驚いた記憶があります。

※編注:第1作「鬼隠し編」がリリースされたのは2002年夏でしたが、当時はまだそれほど話題になっていませんでした。かーずさんが体験版を遊んだのは2004年8月なので、第4作「暇潰し編」のリリース直前

 それで体験版を最後まで遊んでひっくり返りました。前半はぬるいテンプレギャルゲーなんですが(言い方!)、1人目の殺人事件が起こる、豹変する仲間たち、ほんとに1シーン、1テキストから、物語は一変して怒涛(どとう)の展開を見せます。序盤にちりばめれた伏線が明らかになり、身近な人間が突拍子もなく変化していく恐怖を描く。そして、謎は謎のまま終わっちゃう。えっ? オチは?

 こんなチラ見せ、続きが気になりますよね。そりゃコミケに買いに行きましたとも。3日目の島中(※)でした。そして100円でした。ジュースより安いんかい。その後ずっと壁サークルを続ける07th Expansion、当時は島のお誕生日席ですらありませんでした。

※コミックマーケットのサークルスペースのこと。小規模サークルは机を並べてある“島”に配置される。少し人気だと島の角に。大手サークルは混雑対策で外周に配置される。俗に言う「壁サークル」

 この島中から、3年間で60万本を売り上げるお化けソフトになろうとは。竜騎士07さんと相方の故・BTさんが自宅で焼いたCD-Rを手売りしてる光景はレアそのものでした。そこに汗だくのキモヲタが1匹、同人誌でパンパンにした手提げバッグでブース前に駆け付けました。午後なので人はまばら。山積みのCD-Rのケースを一部手に取って、

「体験版が面白くて買いに来ました!」

「ありがとう。これも遊んでみてよかったら感想聞かせてね」

 その数日後に、最新版「暇潰し編」をプレイした連中が僕も含めてネットで大騒ぎです。だって謎がさらに深まるだけなんだもん。

次々と感染していくニュースサイト管理人、同人ショップでは完売続出

 当時のネットにはTwitterがありませんでした。そこでみんなが議論を戦わせたのが、2ちゃんねるのスレッド、そして公式の掲示板です。昔のホームページ(この呼び名も懐古)には、掲示板(BBSと呼ばれていた)という交流の場所があるのが普通でした。

 2ちゃんねると07th Expansionの掲示板では、「誰が犯人だ」「原因は病気か、幻覚か」「このシーンは魅音なの、詩音なの?」とかんかんがくがくの大論争です。

 翌9月から同人ショップにプレス盤が委託開始。価格は1500円。15倍かよ〜、いやいや良心的な価格です。それも入荷されては即完売が続きます。当時の光景はこちらにて。

 個人サイトでは「ひぐらしのなく頃に」熱がDAIさん帝国、かーずSPに続いて、げいむ乱舞界、発熱地帯と次々に感染。あ、これ完全に雛見沢症候群だ。

 このようにオタク系ニュースサイトに補足されていきました。驚いたことに、カトゆーさん(@katoyuu/「カトゆー家断絶」管理人)に「ひぐらしのなく頃に」の話をしたら、ブームになる1年前から遊んでいたようです。カトゆーさんに当時のことを聞いてみました。

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1705/14/news019.html