お屋敷の夜回りを遅れて始めた深夜。
縁側を急ぐ途中、屋根上の不審な物音と外に掛けられた梯子に気付く。梯子を忍び上がり屋根全体を伺う。
するとそう遠くない所に、棟に座りこちらを見るお嬢様と、その股座に頭を埋める者がいた。
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困る様子のお嬢様に急ぎ近寄ると、お嬢様は人差し指を口に近づけ「静かに」と命令された。
股座の者は昨日来客されたお偉い方だった。一心不乱に何をしているのか。水音が聞こえる。
お二人の光景はまるで乳飲み子のような、しかして異様な。お嬢様の顔の紅潮、苦悶、汗が深まっていく。
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押し殺す声。押し殺せない吐息。股座からの水音。それに同調して、お嬢様は震え悶える。
新たに啜るような音がすると、震えは一層強くなり、抱えていた男の頭が離される。
その後、一瞬逃げるように見えた体が小さく跳ね、お嬢様は小便を短く漏らした。
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貪るような水音は終わらず、夜の静寂により強調される。
心配してお嬢様の顔を覗くと、涙目ながら毅然と見据えられ、震える指先で下を指し示された。
「仕事に戻れ」ということだ。違和感と不安を抱きつつも命令を受け入れ梯子に戻る。
大人であればお嬢様の助けになれただろうか。早く大人になろう。そう決意した。