病気になってから、絶対に口にしないようにしている言葉があります。

それは、
「あなたにはわからない」
という言葉です。

病気や心の不調を経験すると、「あなたにはわからない」と言いたくなる瞬間がたくさんあります。

「同じ病気になったことのないあなたにはわからない」
「この辛さ、あなたはわからない」
「私の気持ちなんてわからない」

私も何度もこれらの言葉が口から漏れそうになりました。

ここ3年くらい、無理解や偏見、間違った知識を言われたり、差別的な発言を投げかけられたりすることもありました。

傷つくのはもちろん、こんなやつとはもう関わりたくないと思って突き放すために、「あなたにはわからない」を使いたくなることもありました。

それでも、私は絶対にその言葉を自分の口から言わなかったのには2つ理由があります。

その理由の1つ目が、「そりゃ、わかるはずがないから」です。(中略)

病気を理解されない世界で生きるより、自分がこれ以上傷つかないように、できるだけ攻撃的な人と関わらず、自分の世界だけで生きていくのも正解だと思います。

というより、それがいいに決まってます。

でも、私にはできませんでした。

「あなたにはわからない」といった瞬間に、その先の対話が閉ざされて、それが結果的に、無理解や偏見を是正する機会を失ってしまうことになると感じたからです。

これが、私が「あなたにはわからない」と言わないと決めた2つ目の理由です。

このままでは、PTSD患者にとって、ずっと理解されない偏見に満ちた世界で生きることになるし、生きづらさは改善しません。(中略)

これからも、私の心がもつ間は、精神疾患をもつ人もそうじゃない人も理解し合える社会を作るために、「何度書いても社会は変わらない」と絶望せずに書き続けようと思います。