媚態をけっして弄さないことを注目させるのもまた、一種の媚態である。


嫉妬のうちには愛よりも自愛のほうが多くひそんでいる。


嫉妬は恋といっしよに生まれるが、恋が死んでも必ずしもいっしょに死にはしない。


嫉妬深い妻を持つことは夫にとっては痛快である。
彼は四六時中、その愛している女のことを聞いていられる。


心の裡を打ち明けるのは虚栄のため、しゃべりたいため、
他人の信頼を惹きつけたいため、秘密の交換をしたいためである。


忠告ほど、気前よく人に与えるものはない。


思い出というものは人間が時間に贈与できる唯一の形式であって、
過ぎていった時間というものは、それを偲ぶ思慕者の心の幅によって
拡大されていってとどまらない。


恋する男と女がいっしょにいて全然退屈しないのは、
始終自分たちのことばかり話しているからである。


恋は火と同じく、不断の動きなしには存続しえない。
なにかを望んだり、怖れたりする気持ちが失せるや否や、恋は息絶える。


恋愛においては往々にして疑うよりもだますほうが先に立つ。

ラ・ロシュフーコー