論争に決着をつけるため、リード氏とニコルソン氏は、バーンズウォークの発掘調査を行って
ローマ軍の鉛弾を探すことにした。米国では以前、「リトルビッグホーンの戦い」(1876年)の
古戦場で考古学者たちが金属探知機を使用した。そして地中に埋もれた弾丸や砲弾を探し出し、
戦闘員の移動経路の地図を作ることに成功している。(参考記事:「50年後の和解:リトルビッグホーンの戦い」)

 リード氏とニコルソン氏は、バーンズウォークで同様の調査を行うことにした。彼らはまず、
古代ローマ軍の投石器の鉛弾を、遺跡の地中に埋もれているほかの金属から正しく区別できるように、
金属探知機を調整した。バーンズウォークの丘の斜面と頂上を金属探知機でくまなく探査したところ、
2700カ所以上で反応が出た。ニコルソン氏はその位置を慎重に記録し、地図を作成した。

 それから、探査の結果を検証するため、小さな溝を5本掘って実際に発掘してみた。その結果、
金属探知機が示したとおりの場所から、ローマ軍の投石器で使う鉛弾が400個以上も見つかった。
さらに、バリスタ(据え置き型の弩砲)用の丸い砂岩でできた石弾も2個発見された。最終的に、
金属探知機の反応の94%がローマ軍の鉛弾であることが確認された。

 バーンズウォークで何が起きたかを解明するため、研究チームは金属探知機の反応があった場所の分析に取りかかった。
その結果、先住民の砦の南側にあった長さ460メートルの塁壁に、多数の鉛弾が集中していることがわかった。この塁壁は、
ローマ軍の野営地の真上に位置していた。「これは包囲攻撃の場合に予期される分布です」とリード氏は指摘する。
砦の北側の塁壁にも、やや少ない数の鉛弾が集中している箇所があった。おそらく、砦から脱出しようとする先住民を攻撃したのだろう。

 ローマ軍の投石器は非常に強力だったと考えられている。最近ドイツで行われた実験によると、
ローマ軍の重さ50グラムの鉛弾を熟練者が発射した場合のストッピングパワーは、
拳銃で発射された.44マグナム弾のストッピングパワーよりもわずかに小さい程度だった。
別の実験からは、120メートル離れたところにある人間より小さな標的に鉛弾を命中させられただろうことも明らかになっている。
「120メートルというのは、丘の南側に築かれたローマ軍の野営地から、丘の上にある先住民の砦の塁壁までの
距離と同じです」とリード氏は語る。(参考記事:「ブーメランは殺人兵器だった、13世紀の骨に痕跡」)
(以下ソースで)