宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3月20日、小惑星探査機「はやぶさ2」による小惑星Ryugu(リュウグウ)の探査活動に基づく初期成果をまとめた3編の論文が、米国の科学雑誌「Science」のWebサイトに3月19日付け(米国時間)で掲載されたと発表した。

1つ目の研究論文タイトルは「Hayabusa2 arrives at the carbonaceous asteroid 162173 Ryugu — a spinning-top-shaped rubble pile」で、はやぶさ2のリモート観測から小惑星リュウグウの形状形成過程に迫ったものとなる。

具体的には、リモートセンシング観測による高精度な形状モデルと光学航法カメラ(ONC-T)の画像・分光データ、重力計測などから、リュウグウの基本的な物理特性を解析。その結果、リュウグウは破壊された母天体の破片が再集積して形成されたラブルパイル(瓦礫)天体である可能性が高いことが明らかとなった。

2つ目の研究論文タイトルは「The surface composition of asteroid 162173 Ryugu from Hayabusa2 near-infrared spectroscopy」で、はやぶさ2の近赤外分光計によって観測された小惑星リュウグウの表面組成に関する研究結果となる。

具体的には、近赤外分光計(NIRS3)の観測により、リュウグウ表面に含水鉱物として水が存在していること、表面物質は加熱や衝撃を受けた炭素質隕石と似たスペクトル特徴を示すことが判明したこと、水酸基の吸収における中心波長に地域差が見られないことから、リュウグウは全体的に均質な組成であるといったことが明らかになった。
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リュウグウと炭素質隕石の反射スペクトルの比較リュウグウと炭素質隕石の反射スペクトルの比較 (C) 北里宏平ら
3つ目の研究論文タイトルは「The geomorphology, color, and thermal properties of Ryugu: Implications for parent-body processes」で、リュウグウの表面地形、多色画像、熱物性から探る母天体の進化の全体像を提唱するものとなる。

具体的には、軌道の整合性と反射スペクトルの類似性から、リュウグウの母天体として小惑星ポラナ(直径55km)かオイラリア(直径37km)である可能性が高いことが示されたという。ただし、どちらが本当の親かについては、まだ分からないとしている。
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また、母天体における水質変成、加熱脱水変成、衝突破壊と再集積を経た進化の概略として、現在までのデータに基づくと内部加熱の可能性が高いとしているほか、回収された試料が地球に帰還し、その分析を行った結果から、母天体がどちらになるのか確定できる可能性があるとしている。
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