■最も近い生息地から4000キロ、原因は不明

 北極海と周辺の海に暮らすシロイルカ(ベルーガ)が、そのはるか南、米国カリフォルニア州サンディエゴ沖で目撃された。サンディエゴは、日本の熊本や八丈島と同じくらいの緯度にあり、公式に記録された目撃場所としては最も南だという。

■まさかシロイルカが

 発見されたのは2020年6月26日。ホエールウォッチングツアーの船長で野生動物の写真家でもあるドメニク・ビアジーニ氏は、6人のツアー客を船に乗せ、ミッションベイの沖合でクジラ(できればシロナガスクジラ)を探していた。別のツアーの船長、リサ・ラポイント氏にもクジラを見つけていないか無線で尋ねてみた。

「たった今、真っ白で背びれのない4、5メートルの動物を見たところ」とラポイント氏は答えた。「ちょっとほかにはない白さよ」

 シロナガスクジラでないのは確かだった。ザトウクジラやシャチなどよく見かける種でもなさそうだ。説明を聞く限りではシロイルカのようだが、まさかシロイルカがカリフォルニア沖にいるとは思えない。

 1時間後、ラポイント氏から連絡があった。やはりシロイルカだと言う。「決定的な証拠がなければ、誰も信じてくれない」ので、記録を残す手伝いをして欲しいと、彼女はビアジーニ氏に頼んだ。ビアジーニ氏はドローンを携えて、ラポイント氏の言う海域へ向かった。

 探すこと45分、船から180メートルほど先にその動物が浮かび上がった。「まぎれもないシロイルカが、目の前に現れました」とビアジーニ氏。「あまりに奇妙、かつ驚くべき出来事だったため」、彼はすぐに“市民科学者”モードに切り替わり、震える手でドローンを操作し、この思いがけない訪問者を撮影した。

 シロイルカが見られるのは通常、北極圏と周辺のカナダ、グリーンランド、ロシア、スカンディナビア、アラスカの海で、たいていは群れで泳いでいる。(参考記事:「動物大図鑑:シロイルカ(ベルーガ)」)

 ところが今回ビアジーニ氏が撮影したシロイルカは、最も近い生息域であるアラスカから4000キロも離れた場所で、しかもたった1頭で見つかった。このシロイルカがどこから、なぜやって来たのか、科学者らは頭を悩ませている。


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Historic Beluga Whale Sighting in San Diego
https://youtu.be/Ky6AJHXGpRs

https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/news/20/071400418/