14◆宇宙は幻

さてループ理論の話に戻る。

量子力学では宇宙に存在する4つの力を量子の交換によって説明づける。
例えば4つの力のうち、原子核内部で働く強い力と弱い力については
湯川秀樹の中間子理論で、陽子と中性子がバラバラになず原子核を構成しているのは
中間子を交換しあっているからだと説明する。

電磁気力も量子交換で説明する。
重力についてもその正体がいまだによくわかっていないが、
その正体は重力子(グラビドン)であるとされ、量子交換で説明がつくとされる。

量子はいずれも確率的にしか存在しない。
「ある」状態と「ない」状態が重なり合っている。
重力もまた量子であるのなら、当然「ある」状態と「ない」状態が重なり合っている。
空間は重力によって歪められるが、重力が0と1の重なり合った存在だとすると
空間もまた歪められておらず、かつ歪められた存在として重なり合っている事になる。

これを敷衍していくと大宇宙そのものが「存在しているが、存在していない」
という曖昧な存在になってしまうのだ。

どういう事なのか、更に量子についての研究が進められた。
ところが巨大な粒子加速器を作り出して原子核を衝突させて中身を出したり
軽い粒子を加速させて重い粒子にして爆発させたりと
調べれば調べるほど新種の量子の数が増えていった。

量子は万物の根源であり最小単位と考えられていたのが、
現時点で17個も発見された。
最小単位は常に1つでありシンプルである筈だが、これでは理論にそぐわない。

そこで考案されたのがおなじみの超弦理論であり、
振動する環(トーラス)の振動数に応じて、各種量子が作り出されるという考えだ。
トーラスの内部には我々の住まう4次元世界とは別の
余剰次元である6つの次元が折りたたまれて収納されているという設定だ。

極論すれば量子とは「次元振動」が形になって現れたものだという事である。