■「日本が財政破綻する確率は100%」と大前研一氏。

私に言わせれば、税金を払える生産年齢人口が減り続けている以上、破綻確率は「100%」である。
今の日本は、いわば“裸の王様”のようなもので、すでに国の財政は破綻している状態だから、いつ国債が暴落して債務不履行になってもおかしくない。
ただ、それは1年後かもしれないし、10年後かもしれない、という話なのである。
そういう事態が起きないように財政運営戦略を作っていくのが、国を預かる為政者がやるべきことだ。

ところが日本は、日本銀行が「異次元金融緩和」を8年以上も継続して財務省が紙幣を刷りまくり、大量発行する国債の消化資金を民間金融機関に提供してきた。
そして、その国債を日銀が民間金融機関から買い取って自ら貯め込み、“禁じ手”とされている事実上の財政ファイナンス(中央銀行が通貨を発行して国債を直接引き受けること)を続けている。

FRBやECBも日銀と同じように金融緩和を行なっているが、むしろ日銀を先行指標として注視している。

一方、日本人の多くは、自分は国債と関係ないと思っている。
だが実際は、郵便貯金や銀行預金が金融機関を通じて国債に流れ、さらに日銀とGPIFという「2頭の鯨」が国債と株を爆買いしている。
つまり、個人金融資産は国債に化け、年金積立金も国債と株に形を変えているわけで、政府が財政破綻したら国民も一蓮托生なのだ。

だが、今の日本は政治家に政府債務に対する危機感がなく、今後も少子化と生産年齢人口の減少が続く。GAFAMのような巨大IT企業もなければ、アメリカや中国などで続々と誕生しているユニコーンも全く出てこない。このような状況では、巨額の政府債務を返せるわけがない。

では、国民はどうすればよいのか? 
資金に余裕があれば、政府が財政破綻しても影響が少ない「不動産」や「金」を買っておいたほうがよいだろう。
利息が付く預貯金は元本1000万円までとその利息しか保護されないし、「株」や「投資信託」や「債券」も国が破綻すれば「国債」と同じく紙屑同然になるからだ。

ただし、最も有効な対策は、自分に投資して世界のどこに行っても稼げる人間になることだ。
もし日本が破綻したとしても、世界のどこかに繁栄しているところはあるはずだから、そこで稼げる力を磨いておくことが唯一の安全・安心・有望な投資先なのである。