Q)今回の成功の技術的な意義はどうなの?

A)精密全自動着陸の仕組みが正常に動作することが確認できたことでしょう
---- 
https://uchubiz.com/article/new37205/

★「着陸精度100m以内」を実現する方法

SLIMは着陸降下を開始すると、航法カメラでの画像航法で自身の位置を推定しながら、
自律的な航法誘導制御で目標地点に接近する。目標地点の上空からは着陸レーダー
(三菱電機が開発)で自身の高度、月面との相対速度を計測し、航法誘導に反映させる。
着陸地点の上空では画像ベースで障害物を検出、回避して、危険な岩などを避けて着陸する。
これらの判断もすべて自律的に実施する。

着陸の制御は探査機が自律的に判断するため、地上の管制は探査機の状態を見守るしかない。
ISASでは、着陸精度を評価してピンポイント着陸が上手くいったかどうかを判断できる時期を
着陸後1カ月以内を見込んでいる。
 
SLIMの画像照合航法は、搭載される航法カメラ「CAM-PX」「CAM-MZ」(明星電気が開発)が
撮影した画像を処理し、「どこがクレーターか」を抽出(クレーター抽出)、SLIMは自身が
いるであろう位置を含む広い領域の地図の中から抽出したクレーターパターンと
一致する場所を特定する(クレーターマッチング)というものだ。

このクレーター抽出とクレーターマッチングはSLIM内の統合化計算機
(System Management Unit:SMU、三菱電機が開発)が処理することになる。ISASによると、
現在宇宙で活用されるCPUは、地上で活用されるものと比べると処理能力は100分の1程度という。
そのためにISASは、目的に応じてプログラムできる集積回路(LSI)である
「FPGA(Field Programmable Gate Array)」での処理時間が数秒という画像処理アルゴリズムを
長年研究、開発してきている。

SLIMを制御するためすべての演算機能はSMUが担う。通常の衛星や探査機ではデータ処理系と
航法誘導制御系は別々の装置で担うが、SLIMの場合、SMU内の単一のマイクロプロセッサで
処理される。自身の位置を特定するための画像処理もSMU内にあるFPGAで実施される