1km先のスペースデブリを除去可能に? 大阪公大が独自技術の有効性を検証
2026/01/14 16:16
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20260114-3973234/
>>森教授らは、地球の中間圏から外気圏にまで広がる電離圏に存在するプラズマの性質を利用し、電子ビームを用いて小型デブリを除去する「電子ビームアブレーション推進法」を研究している。衛星が長距離から電子ビームを照射し、小型デブリを減速させて大気圏へ落下・焼却させるというものだ。この方法は、高効率かつコンパクトなシステムで実現できる可能性があり、低コストでデブリ除去を持続できる点を最大の特徴とする。
>>課題もある。電子は負の電荷を持つため互いに反発し、電子ビームは真空中の伝搬では距離に応じて横に広がってしまう点だ。また、電子ビームが電離圏のプラズマからどのような影響を受けるのかについても、これまで十分に検討できていなかったとする。そこで研究チームは今回、電子ビームがプラズマからどのような影響を受けるのかを明らかにするため、コンピュータシミュレーションを実施したという。
?>>電離圏は、太陽からの紫外線やX線などによって大気中の分子や原子が電離し、電子やイオンが多く存在する領域だ。電波を反射・吸収する性質を持ち、長距離無線通信や宇宙天気にも大きな影響を与えることが知られている。今回のシミュレーションの結果、電離圏中では周囲を満たすプラズマの効果により、電子ビームは真空中のようには拡散せず、逆に細い形状を維持したまま遠方まで伝搬することが判明した。
>>しかし、電子ビームが光速に近い速度で約1km以上進むと、異なる性質を持つ2つの流体が接触する界面で生じる「二流体不安定」現象によって、ビームがバラバラに分裂してしまうことも突き止められたとする。
>>今回の研究により、電子ビームを伝送できる距離が明らかにされた。数値とし伝送距離を把握できたことは、電子ビームアブレーション推進法の設計における重要な指針を与える成果とする。また同時に、今回の成果は電離圏のプラズマの性質を活用する宇宙工学の発展に大きな一歩を記したとしている。