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広く引用されている論文に虚偽の主張があったものの著者は誤りを認めながら訂正を拒否し研究機関も事実を無視して放置しているとの指摘
2026年04月02日 06時00分
https://gigazine.net/news/20260402-false-claims-widely-cited-paper/
 6000回以上引用され、政府高官やアメリカの元副大統領まで言及したことのある論文に、致命的な虚偽の主張があったにもかかわらず、訂正も処罰もないとコロンビア大学の統計学および政治学の教授であるアンドリュー・ゲルマン氏が指摘しています。
 しかし、キング氏が問題の論文を再現しようとしたところ、論文には重大な欠陥や誤った記述が存在することを発見したそうです。当初、キング氏は「問題の論文は権威ある学術誌のManagement Scienceに掲載されており、著者も名門機関に所属しているため、論文の内容訂正は容易なことだろう」と考えていたそうです。
 しかし、著者はキング氏の訴えを無視し、Management Scienceも対応を拒否し、学術界も見て見ぬふりをしたそうです。名前は明かされていないものの、2つの大学は論文の著者が誤解を招く報告書を掲載したことを認めたそうですが、研究の不正の証拠無視したとキング氏は主張しています。
 なお、当該論文は年間約2000回も引用されており、投資実務や公共政策に大きな影響を与えており、2006年以降、Management Scienceで最も引用された論文であるとキング氏は指摘しました。
 キング氏によると、論文に記載されている方法は著者が実際に使用した方法とは異なるものだったそうです。キング氏は著者に長年にわたって問題を指摘してきたそうですが、著者がこの事実を認めたのは、2年間のやり取りの末ようやくでした。しかし、著者は論文の訂正を拒否し続けています。
 Management Scienceは、同誌の規定では著者のみが論文の訂正を要求できるとして、著者が対応しないと判断した論文を訂正することはできないと返答したそうです。キング氏は論文の著者が誤りを認めながら訂正を拒否したため、研究倫理局にも連絡しています。
☠論文の著者が所属するビジネススクールのロンドン・ビジネス・スクールは、自身が分析を行っているわけではないため違反はないと主張。ハーバード・ビジネス・スクールは内部調査の有無や結果について一切公表を拒否。そして、オックスフォード大学は論文はエクルズ氏(論文の著者のひとり)がハーバード・ビジネス・スクールに在籍していた時期に公開した論文であるため、今回の行為に対する責任はハーバード大学にあると主張したそうです。
☠ゲルマン氏は「カリフォルニア大学の教授が露骨なデータ改ざんを行ったのに何の処罰も受けていないこと」と「コーネル大学の教授が大量の研究不正を行い、最終的に辞職を余儀なくされたにもかかわらず、それには長い時間がかかり大学は外部の懸念に対応しなかったこと」を挙げ、研究倫理局や同様の組織にはほとんど期待しなくなってしまったと言及。実際、ラトガース大学の政治学教授は、盗用した内容を含む本でアメリカ政治学会から賞を受けています。また、アメリカ政治学会は盗用を知らされた後も、賞を取り消すことも、盗用された作品の著者と賞を分け合うことも拒否しました。
☠また、不正を起こした人物が、問題を暴露した人を攻撃するケースがあり、これが非常に厄介であるとキング氏は言及しています。これについて、キング氏は「まるで、重要な人物は皆カントリークラブの仲間同士で、あらゆるやり直しを指摘する生意気なキャディに対処しなければならないかのようです。彼らはクラブのメンバーでありながらキャディの味方をする私たちのような人間に対して、さらに苛立ちを募らせるかもしれません」と語りました。