>>12

>>1の本文
溶液中での局所的な電気化学反応を追跡するツールとして長年用いられてきたのが走査型電気化学顕微鏡(SECM)である。探針を微小な電極として用い、溶液中の酸化還元物質の濃度勾配や反応電流を測定するこの手法は、液中環境には適応できるものの、探針の物理的なサイズや拡散層の広がりといった原理的な制約から、その空間分解能は一般的にマイクロメートル(1,000ナノメートル)のオーダーにとどまっていた。最新のナノマテリアル科学が要求する数ナノメートルから数十ナノメートルという極小の触媒粒子の挙動や、微細な結晶面の違いに起因する反応の偏りを直接観察するには、解像度が決定的に不足していたのである。さらに、化学反応の速度論的側面を示す「電流」と、反応を駆動する熱力学的な力である「電位(電圧)」を、同一の微小領域でリアルタイムに同時に測定することは、極小領域における機器の構造設計や信号処理の難しさから、長らく不可能とされてきた。