「元気をもらう」の正体は心臓から出る電磁場 TransTechカンファレンスから
2018/11/29
https://community.exawizards.com/aishinbun/20181129/
論文によると、心臓は体の中で最も大きな電磁場を形成しており、心電図で測ることのできる電磁波の振り幅では、脳波計で計測できる脳波の振り幅の60倍にもなるという。また心臓の発する磁場成分の強さは脳が発する磁場成分の5000倍もあり、細胞組織に邪魔されることなく、1〜2m離れた場所でも計測が可能だという。
▲脳が必ずしも感情を司っているわけではなかった
この論文でおもしろいと思ったことの一つは、脳が必ずしも感情をつかさどっているわけではないということだ。
1990年代までは、脳だけが感情を生成していると考えられていたが、最近は脳と身体の共同作業を通じて、認識や思考、感情といったものを生成しているという考え方が主流になりつつあるという。特に心臓が、感情の生成において重要な役割を果たしていることを示す実験結果が幾つか登場しているようだ。最近の神経心臓学では、「心臓は感覚器官であり、大脳皮質が関与しない学習や記憶、決定を可能にする、高度な情報のエンコーダーとプロセッサーの中心的な役割を担っている」と結論づけているという。
大脳皮質は、知覚、随意運動、思考、推理、記憶などの高次機能を司っているが、大脳皮質が関与しない脳の活動に関しては、心臓が中心的な役割を果たしているということだ。
心臓が出す電磁波、音圧、血圧のリズムは、身体中の全ての細胞によって感知される。つまり心臓が体の細胞、臓器の同調シグナル発信機の役割を果たしているという。ちょうどオーケストラにおける指揮者の役割を、心臓が担っているようなものかもしれない。
最近の研究では、心臓が発信するリズムの中に情報が込められており、特に神経やホルモン、電気などの低周波の振動の中に、感情に関する情報が込められている可能性があると指摘されているという。
心臓が発信する信号で最初に脳に到達するのは電磁波で、次に神経系の信号が8ミリ秒後に到達。血圧の信号は240ミリ後に脳に到達するのだという。また心電図の波の形を継続的に観察すると、微かながら複雑に変化していることが見て取れる。なので心電図の波の形の中にも情報がエンコードされている可能性があるという。
心臓のリズムと脳のα波は自然とシンクロすることが分かっているが、特に心にポジティブな感情を思い浮かべているときは、心拍のリズムが非常に規則正しくなり、その結果、α波のリズムも心臓にシンクロし、規則正しいものになるという。
そして心臓と脳波が規則正しくシンクロし始めると、呼吸のリズム、血圧、皮膚の電気信号のリズムなどもシンクロし始める。こうした状態をこの論文の著者は「身体的一貫性」と呼び、身体的一貫性が達成されれば、身体が最も効率よく働き始め、精神的、身体的な様々な恩恵を受けることになるとしている。例えば、毛細血管や細胞組織における液体交換、通過、吸収の効率が向上するほか、心臓血管系の循環ニーズに対する適応能力が向上するという。その結果、免疫力が向上することになる。また認識力が向上し、思考がクリアになり、感情が安定。その結果、幸福度が向上するとしている。
下のグラフは、フラストレーションを感じている人が、感謝の気持ちに転じたときに見られた心拍の波の変化だ。フラストレーションを感じているときは心臓のリズムが乱れているが、感謝の気持ちに転じた途端に、心臓が規則正しいリズムで動き出しているのが分かる。
Figure 6の下のグラフは、被験者番号1番の人の心電図。論文によると、心臓の動きが安定していることが分かる波形だそうだ。上のグラフは、被験者番号1番の人の心電図の波形と、近くにいる被験者番号2番の人の脳波の波形の比較。論文によると、1番の人の心臓の電磁波が、2番の人の脳波とシンクロしているのが分かるという。
この論文に記載されている、そのほかの興味深い実験結果についても触れておきたい。
下のグラフはある夫婦の寝ている間の心拍数の推移比較。心拍数の波形がシンクロしているのが分かる。
一方で、目が覚めているときに、二人の人間の心臓がシンクロするのは、非常にまれだとしている。
ただし下のグラフにあるように、ポジティブな感情を互いに持てば、心臓がシンクロするようだ。
シンクロするのは人間だけではない。ペットと飼い主の心臓のリズムもシンクロするという。下のグラフにあるように、同じ部屋にいるときに、心臓のリズムが見事にシンクロしている。