アメリカの名門カリフォルニア大学バークレー校でAI利用の拡大と数学力低下が顕著になって落第者が激増
2026年06月05日 15時00分
https://gigazine.net/news/20260605-uc-berkeley-failing-grades-ai-math/
>>カリフォルニア大学バークレー校はアメリカ最高峰の大学として名高く、コンピューターサイエンスやAIなどの分野でアメリカを代表する研究拠点となっています。ところが、そんなカリフォルニア大学バークレー校のコンピューターサイエンスの授業で、AIの利用拡大と数学力の低下が顕著になっており、落第者が激増していると報じられました。
>>カリフォルニア大学バークレー校のオンライン授業検索・履修計画プラットフォームであるBerkeleytimeによると、2026年の春学期にはコンピューターサイエンスの講義である「CS10:コンピューティングの美しさと喜び」で学生の35.3%、「CS61A:コンピュータプログラムの構造と解釈」で学生の10.6%がF評価(落第)を受けたとのこと。
>> 2025年春学期と2024年春学期には、どちらのクラスもF評価の割合が10%を超えることはありませんでした。また、カリフォルニア大学バークレー校の電気工学・コンピュータ科学科の成績評価ガイドラインでは、CS10やCS61Aを含む下級科目を受講する学生のうち、D〜F評価を受けるのは7%にとどめるべきだとされています。ガイドラインでは下級科目の一般的なGPAは2.8〜3.3の範囲になるとされていますが、2026年春学期のCS10とCS61Aの平均GPAは2.3でした。
>>CS10とCS61Aを担当したカリフォルニア大学バークレー校のダン・ガルシア教授は、これらの異常に高い落第率の主な原因は学生がChatGPT・Claude・GeminiといったAIモデルを使用することによる、「学業上の不正行為の大幅な増加」にあると考えています。ガルシア氏によると、2026年春学期のCS10の講義では、約30人の学生が持ち帰り試験で不正行為をしていることが発覚したとのこと。
>>なお、ガルシア氏の講義では相対評価ではなく絶対評価が導入されており、一定の基準を超えれば人数にかかわらず単位が与えられます。ガルシア氏は定められた割合に応じてA評価を受ける人数を制限することに反対しており、教師はあらかじめ成績の基準値を公開し、すべての学生がA評価を取れるように指導するべきだとの見解を示しています。
>>ガルシア氏は落第者が急増した理由についてAIの利用拡大を挙げましたが、同時に学生の基礎的な数学力が低下していることも問題だと指摘しています。カリフォルニア大学バークレー校のギリージャ・ラナデ准教授も同じ懸念を抱いており、実際にラナデ氏が2026年春学期に担当した「EECS27:工学における最適化モデル」の講義でも、学生の前提となる数学的スキルが不足していたとのこと。
>>ラナデ氏が教えた2026年春学期のEECS27の落第率は16.8%であり、ガイドラインで上級科目の典型的なD〜F評価率だと定められている5%をはるかに上回っていました。以下のグラフは、左から順にCS10・CS61A・EECS27の落第率を表したもので、2026年春学期(Spring 2026)の落第率が2025年春学期(Spring 2025)・2024年春学期(Spring 2024)・典型的な落第率(Typical)と比較して急増していることがわかります。