認知症の進行は、「前兆」「初期」「中期」「末期」の、4つの進行段階に分けることができます。症状は時間をかけて進行するといわれていますが、早期に発見し、適切な対策や治療を行うことで発症や進行を遅らせることができるため、認知症がどのように進行していくかを知っておくことはとても重要です。「前兆」「初期」「中期」「末期」のそれぞれの症状について解説します。
前兆(軽度認知障害)
もの忘れのような記憶障害みられるようになりますが、日常生活に支障をきたすほどではありません。そのため、「歳のせい」と軽く考えてしまう方がほとんどで、認知症の前兆であることが見過ごされがちです。認知症の前兆は軽度認知障害(MCI)とも呼ばれ、放っておくと症状が進み、高い確率で認知症へと移行します。
初期(軽度)
直前の出来事を忘れてしまったり、勘違いや同じことを何度も繰り返して言うようになり、単なる「もの忘れ」ではなくなってきます。時間の見当識障害もみられるようになり、時間の感覚や、現在の日付や曜日なども分からなくなります。また、判断力の低下もあらわれるため、できないことが増えることによって意欲が減退し、もの事を面倒くさがるようになります。
中期(中度)
中期になると、記憶障害が深刻化し、記憶が保てないため自立した生活が困難になってきます。食事をしたのに食事をしたこと自体を忘れてしまうのも、中期の特徴です。また、場所に関する見当識障害が多くみられ、自分がいる場所が分からなくなったり、見当識障害が原因で、徘徊につながることもあります。この時期になると、サポートが必要になる場面が多くなってきます。
末期(重度)
認知症の末期では、認識力も著しく低下するため、人を認識できなかったり、言葉が理解できなくなるなど、コミュニケーションを取ること自体が難しくなります。失禁や異食、不潔行為などもみられます。また、歩行障害や運動障害もみられるようになり、寝たきりになることも少なくありません。誤嚥(ごえん)による肺炎や、免疫力の低下による感染症などのリスクが高まり、より手厚い介護が必要になる時期でもあります。
アルツハイマー型認知症の進行について
アルツハイマー型認知症の進行について
特に、アルツハイマー型の認知症の場合は、上記のように進行することが多いです。軽度の期間は約2年ほどあり、徐々に中等度を経過し高度へと進行します。約3.5年で高度まで進行してしまうことから、早期の治療を行い症状の進行を遅らせる必要があります。