ニュートン力学から電磁気学まで、物理学の基本方程式のほとんどは時間を逆転させても同じ形を保ちます。
私たちが当然と思っている「時間は一方向にしか進まない」という性質は、基本的な物理法則から抜け落ちているのです。
しかもこの問題は量子の世界に及びます。
通常の量子力学の方程式には時間を現わす「t」がしっかり組み込まれています<iℏ ∂Ψ(x, t)/∂t = Ĥ Ψ(x, t)>。
ですが宇宙全体をひとつの量子力学の方程式で記述したものには、宇宙の大きさを表す部分(a)や物質の状態を表す部分(φ)はあるものの、時間をあらわす「t」はどこにもないのです<Ĥ(a, φ) Ψ(a, φ) = 0>。
これは抽象的な数学の話ではなく、現代物理学が正面から突きつけられている問題です。