研究者が塊を調べたところ、ミニ宇宙全体のエントロピーは誤差のレベルでしか変わっておらず最初から最後まで同じでした。
ところが視点を変えて、コッチ側とアッチ側を別々に見てみると、エントロピーが「行き来」していたことがわかりました。
見える側と見えない側のあいだで原子が行き来すると、それに伴ってエントロピーが片方の部屋からもう片方の部屋へ移動します。全体の合計は一定のまま、配分だけが変化し続けていたわけです。
配分の変化が、エントロピーを介して時間を駆動していたのです。
時間が「生まれる」ために必要だったのは、宇宙全体のエントロピーが増えることではありませんでした。必要だったのは、宇宙を2つに分け、そのあいだでエントロピーが行き来することだったのです。