原告側が最大の争点として挙げるのが、国による不十分な情報提供だ。
会見で原告代理人の青山雅幸弁護士は、国がワクチンのメリットを誇張し、デメリットを隠蔽したとして「国民の自己決定権が奪われた」と強く批判した。
不十分な情報提供の例として青山弁護士が挙げたのは、若い世代で副作用の報告が相次いだ心筋炎のリスク周知だ。
日本循環器学会は2023年3月にはガイドラインを公表し、接種後の心筋炎発症頻度の高さを伝えていた。国は、「コロナに感染した場合の心筋炎リスク」が「ワクチン接種後のリスク」を上回ると周知していた。しかし、感染した場合のリスクを算出する際、分母を陽性者全体ではなく、「入院患者」に限定。これにより、感染リスクが意図的に高く見せかけられていたと青山弁護士は指摘する。
さらに、ワクチンの接種者と未接種者の感染率データにも問題があったと指摘。「未接種者」のカテゴリーに、実際は接種歴が不明な者が含まれていたため、未接種者の感染率が実態より高く算出されていたという。後にこのデータは公表中止となったが、国からの訂正はなかった。
その上で青山弁護士は、「接種によるメリットが誇張され、デメリットが隠ぺいされた結果、接種圧力ばかりが増す社会情勢が強固に構築された。リスクとベネフィットを勘案して接種について判断する国民の自己決定権が侵害されていった」と訴えた。