野辺山45m電波望遠鏡は、ミリ波帯の電波観測に用いられ、20世紀から星間分子ガスの観測などで数多くの成果を上げてきた。今回は、SS 433の東西X線ジェットの再増光領域における、一酸化炭素分子が放つ電波輝線の観測が行われた。その結果、両側の再増光領域において、X線放射とよく対応する位置に複数の「分子雲クランプ」が初めて検出された。
分子雲クランプとは、巨大分子雲内に存在し、星の卵となる分子雲コアを数個から多数含む構造を指す。今回観測された分子雲クランプの典型的な大きさは約2パーセク(1パーセク=約3.26光年)で、一部の分子雲クランプはX線ジェットの構造に沿うような細長い形をしていることが示された。