従来の基準の外側を探す
では、どのような形のw(z)を考えればよいのか。従来、よく使われてきたのが、CPL(Chevallier-Polarski-Linder)パラメータ化と呼ばれる式である。これはw(z)を二つのパラメータで表す便利な経験式で、観測データと比較しやすい。
しかしCPLは、元となる特定の物理理論があってそこから導かれた、というようなものではない。ダークエネルギーが時間とともに変化しているとしたら、観測データにはどのように現れるのかを調べるために、人の手で仮定された簡便な式である。言い換えれば、宇宙定数(w=-1)からどれくらいずれているかを調べるための比較基準だ。
そのため、CPLだけを使っていると、CPLで表せる範囲の変化しか調べられない。もし実際のw(z)がCPLとは異なる形で変化していた場合、その兆候は観測データに含まれていても、CPLの枠内では単なるフィットの悪さや、他の宇宙論パラメータのずれとして扱われてしまう可能性がある。今回の研究は、そのような見落としを避けるために、AIを用いてCPL以外の候補式も広く探索したものといえる。