また、12B原子核のエネルギースペクトルには、既知の0-状態とは別に、これまで十分に分離して観測することが困難だった新たなピークも観測された。このピークは新しい0-状態の候補である可能性があり、新手法によって従来は観測が難しかった励起状態の研究が可能になることが示された。
研究チームは今後、新手法をさまざまな原子核へ適用し、0-状態の性質を核図表全体にわたって系統的に調べていく計画だ。中でも注目しているのが、0-状態の集団性が増し、エネルギーが低くなる「ソフト化」現象だという。同現象は、原子核物質中における「パイ中間子凝縮」の前兆である可能性が指摘されている。同凝縮は中性子星内部などの極限環境で起こると予想されているが、その発現条件は不明だ。今後、さまざまな原子核における0-
状態を精密に測定することで、同凝縮が起こる臨界密度の解明につながることが期待されるとした。さらに、新手法はニュートリノの質量決定に深く関わる「ニュートリノレス二重ベータ崩壊」の研究への応用も期待されるとしている。