そこで研究チームは今回、超大質量ブラックホールに落ち込むガスの運動などによって形成される衝撃波に注目することにしたとする。衝撃波とは、超音速の流れによって生じる急激な物理状態の変化を指す。宇宙空間のように粒子同士の直接衝突がほとんど起こらない環境の衝撃波は「無衝突衝撃波」と呼ばれ、粒子と電磁場の相互作用によって形成されることが解明されている。今回の研究では、プラズマ中の粒子と電磁場の振る舞いを直接計算する最先端のシミュレーション手法を用い、衝撃波内部での粒子加速過程を詳細に解析したという。そしてシミュレーションの結果、以下の3点が新たに解明された。
1. 粒子が衝撃波を繰り返し往復することでエネルギーを増加させる点
2. 衝撃波のエネルギーの約10%が高エネルギー粒子に変換される点
3. 弱い衝撃波でもこの加速過程が効率よく機能する点
さらに、この加速過程で生成される陽子などの粒子のエネルギーは、数十〜数百テラ電子ボルト(1テラ=1兆)に達し、実際に観測されている高エネルギーニュートリノのエネルギー領域を十分に説明し得ることが示された。