Oqtantを用いた学術的成果が査読付き論文として発表されたのは、本研究が世界初である。この事実は、クラウド実験プラットフォームの成熟度と、理論研究者による利用の実現可能性の両方を示している。
従来のクラウド量子サービス(IBMやGoogleの量子コンピュータ)では、ユーザーが量子回路を設計して実行結果を得るが、物理的な系そのものを操作するわけではない。Oqtantは、実在する超低温原子気体のポテンシャル形状を時間変化する形で設計し、その力学を直接観測できる点で、より「実験」に近い。ユーザーはPythonのJupyter Notebook上でポテンシャルを定義し、ジョブをキューに投入し、結果を取得する。実験室の立ち上げに数年、数億円を要する作業が、アカウント作成と数行のコードに置き換わる。