>>固体の中で熱を運んでいる「運び屋」の正体は何なのでしょうか。

>>それは原子の振動です。

>>物質の中では原子たちが隣とバネでつながれたように結びついており、片方が揺れると振動が次々と隣へ伝わっていきます。

>>この振動の伝わりこそが、半導体をはじめとした多くの固体での熱の移動であり、物理学では振動をひとかたまりの粒のように扱って「熱の運び屋(フォノン)」と呼んでいます。

>>普段の温度では、この運び屋は物質の中にぎゅうぎゅうにひしめいていて、無数の粒が玉突きするように互いに衝突しては進む向きを変えることを繰り返しています。

>>そうしてあらゆる方向へ弾き飛ばされ続けるからこそ、熱は結果として全方向へ均等に広がるわけです。

>>ところがこの運び屋は、実は粒でありながら「波」の性質も併せ持つ、量子の世界の住人です。

>>波としての性質が発揮されると、光がレンズで進む向きを変えられるように、熱も決まった方向へ集中して伝わっていくと考えられてきました。