>>電子だけでできた結晶に光を当てる
>>電子だけでできた結晶に光を当てる / 光によって生成されたプラスとマイナスのペアが電子だけでできた結晶に歪みを生じさせている様子/ Credit: You Zhou, University of Maryland
>>その壁を破ったのは、意外なほど素朴な方法でした。
>>研究チームが用意したのは、原子数個分の厚さしかない二セレン化タングステン(WSe₂)のシートです。
>>これを絶縁体の板で上下から挟み、電圧をかければ内部の電子の数を自由に増減できるようにしたうえで、装置全体をマイナス268℃(5ケルビン)まで冷やしました。
>>あとは光を当て、跳ね返ってくる光を調べるだけです。
>>光が当たると、シートの中では電子が1個、光のエネルギーを受け取ってもとの居場所を離れます。
>>そして残るのが、電子が抜けたあとの空席です。
>>この空席はプラスの性質を帯びるので、飛び出した電子とは引き合う関係にあります。
>>この光によって生じたプラスとマイナスのペアが整列した電子たちのあいだに割り込むと、きれいに並んでいた配置がゆがみます。
>>そして、ゆがみはその1点で終わりません。
>>電子たちは互いに反発し合いながら、ぎりぎりの間隔で釣り合って並んでいます。
>>だから一つが動かされれば、近くの電子も居場所をずらさずにはいられません。
>>>この揺れが、電子の結晶の震え(フォノン)です。