高知能のカギは「弱いつながり」にあった――「つながるほど賢い」わけではない
公開日2026.09.11 20:30:38 FRIDAY
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/199499
アメリカのノートルダム大学(ND)などの研究チームが831人の脳画像と知能テストの結果を調べたところ、高い知能と結びつく意外な特徴が見つかりました。
高知能の人々は、近くの場所どうしは強く結ばれる一方、遠く離れた場所へは弱いつながりが延びていたのです。
しかも、弱いつながりが、遠くに届くものほど頭のよさとの関わりが強くなっていました。
強固な結びつきだけでなく、一見頼りなさそうな「弱い橋」が重要だったのは、なぜでしょうか。
研究チームは、こうした橋が別々の働きをする場所を結び、新しい問題に合わせて協力相手を変える助けになると考えています。
研究内容の詳細は2026年1月26日に『Nature Communications』にて発表されました。
これまでの有力な知能理論では、脳の前側や頭頂部など、考える働きを担う特定の領域や回路が重視されてきました。
しかし、個々の担当の仕事がわかっても、記憶や注意、言葉の理解などを組み合わせて問題を解く仕組みまでは説明できません。
そこで今回研究者たちは、担当する場所だけでなく、担当どうしの連絡網に注目しました。
健康な若い成人831人について、記憶や推理などのテストから、一人ひとりの「頭のよさ」を表す点数を出しました。
そのうえで、脳のつながり方を手がかりに、その点数をどこまで当てられるかを調べました。
配線の地図と、どの場所が一緒に働きやすいかを重ね、脳全体の通信網として調べたのです。
特定の回路だけを見るよりも、脳全体のつながりを見たほうが、実際の点数に近い答えが出ました。
さらに、回路の情報を一つずつ計算から外しても、点数の当たり具合はほとんど変わりませんでした。
要するに、「知能の中心はここです」と言えるような一つの主役は見つからなかったのです。
しかも、自分の内部のつながりだけでは点数の手がかりにならなかった回路も、ほかの回路とのつながりは役立っていました。
単独では目立たない担当も、「連絡役」として見ると存在感を発揮していたのです。
では、頭のよい人の脳は、どこをどのようにつないでいるのでしょうか。