>>さらに四半世紀以上前、物理学者たちは、「ベータ崩壊」と呼ばれる放射性壊変の過程で、なぜエネルギーが失われているように見えるのか、頭を悩ませていた。何かが足りないことは明らかだったが、それを説明できる既知の物理法則はなかった。そして1930年、オーストリアの物理学者ヴォルフガング・パウリが、大胆な解決策を提案した。ほとんど検出できない粒子が、失われたエネルギーをひそかに運び去っているというのだ。

>>パウリは友人に「とんでもないことをしてしまった」と語った。「わたしは検出できない粒子を仮定してしまった」

>>この粒子は後に「ニュートリノ」と呼ばれるようになった。ほとんど質量を持たず、電荷もないニュートリノは、地球やそこに存在するあらゆるもの、もちろんわたしたちの体も、ほとんど何の妨げもなく通り抜けることができる。