>>これはさらに大きな課題を意味した。ほとんどあらゆる物質をすり抜けてしまうニュートリノを、遠くの恒星から飛んでくるものまで含めて、どうやって捉えればいいのだろうか。物質とほとんど衝突しない粒子を検出するには、衝突する相手となる膨大な量の物質が必要になる。さらに、その物質は、ほかの放射線によるノイズから遮蔽されなければならない。

>>そこで科学者たちが出した答えは、科学史上でも最大級かつ最深部に位置する、極めて特殊な「罠」のような実験装置をいくつも仕掛け、あとはニュートリノが捉えられるのを待つことだった。

>>SNO+は、クレイトン鉱山に設置されていたサドベリー・ニュートリノ観測所(SNO)の後継実験で、前身の実験で使われていた機器の一部を再利用している。ただし、内部に満たされているのは重水ではなく、食器用洗剤の製造などに商業利用されている直鎖アルキルベンゼン(LAB)だ。LABは、重水の50倍の明るさの信号を生み出す。上から吊り下がっているのは、この実験のディレクターを務めるアート・マクドナルドだ。

>>イタリア・アブルッツォ州のグラン・サッソ国立研究所に設置されたボレキシーノ・ニュートリノ検出器は、太陽が複数の経路で水素をヘリウムに融合させていることを示す初の直接的な証拠を捉えた。ニュートリノの相互作用によって生じた光を増幅する光電子増倍管を、研究者が点検している。