>>天の川銀河をはじめとする数多くの銀河や、銀河の集団である銀河団、たくさんの銀河団で構成される宇宙の大規模構造も、もとをたどれば最初期の宇宙で物質の密度にムラが生じたことで形成されたと考えられています。物質の密度に対するダークマターやダークエネルギー、それにニュートリノの影響を理解することは、この宇宙の成り立ちを理解することにもつながるのです。

>>これらの存在が密度に及ぼす影響を調べるために、研究者らは重力レンズ効果(※)を利用して物質密度のムラを調査していますが、ここでもひとつの問題が立ちはだかります。物質の密度に影響するのは、なにも謎めいた物質やエネルギーばかりではないからです。

>>※…手前にある天体の大きな質量によって周囲の時空間がゆがみ、その背後にある遠方の天体から発せられた光の経路が曲げられることで、遠方天体の像がゆがんだり拡大して見えたりする現象。

>>具体的には、物質を取り込むかたわらその一部をアウトフロー(ガスの流れ)として放出している超大質量(超巨大)ブラックホールの活動や、大質量星などが起こす超新星爆発があげられます。これらの天体や現象のエネルギーがもたらす働きは「フィードバック」と呼ばれています。

>>Caltechによると、銀河の外側に広がるガスがフィードバックの影響を受けることで、物質の分布が実際よりも滑らかに見えてしまうのだといいます。ダークマターなどの性質を正しく理解するためには、まずはフィードバックの影響を理解する必要があるのです。