>>13 続き

海綿動物の幼生が遂げる劇的な変態
★ 海綿動物は、脳も神経も持たない、体のつくりがきわめて単純な動物である。
 熱帯の海を中心に世界中のあらゆる海に生息し、淡水にすむ種もいる。
 大きさは数mmのものから、南極海にすむ樽のような形の種のように1mを超えるものまで多種多様だ。
 特殊な細胞が集まってできているだけの非常に単純な生き物でありながら、成長の過程で非常に複雑なプロセスを遂げる。
 生まれたばかりの幼生は海の中を自由に泳ぎ回るが、成体になると、岩や貝殻などに張り付いたままの固着して動かないスポンジ状の姿へと変えるのだ。
 これは毛虫が空を飛ぶ蝶になる変態とは逆のパターンのようなものである。
 クイーンズランド大学の研究チームは何年にもわたり海綿動物の一種、ホソエダカニノテ(Amphiroa fragilissima)の劇的な変態(動物の成長過程において形態が短期間に著しく変化すること)について調査を続けてきた。
 その結果、定着して永遠の住み家とする場所を選ぶ際、環境からの手がかりが重要な役割を果たしていることを発見した。