>>24 続き

まず脳画像では、健康な人に比べて患者は自分で触れたときの右上側頭回(Superior Temporal Gyrus)の反応が強い傾向を示しました。
本来は自分由来の感覚で反応が弱まる場面ですが、患者ではその抑えが弱い傾向が見られた形です。
さらに脊髄レベルでも違いが確認されました。
健康な人では「自分で触る」と「他人に触られる」で信号の到達タイミングに差が出ますが、患者ではこの差が小さくなる傾向がありました。
つまり「自分で触っている」という区別が、脳に届く前の脊髄の段階から弱まりやすいことが示唆されます。
内受容感覚の検査でも、患者は自分の心拍を感じ取る正確さが低い傾向にあり、心拍誘発電位(HEP)も小さくなっていました。
外側からの触覚だけでなく、体の内側からの信号でも「自分のものとして処理する力」が弱まる傾向があったのです。
これらの指標の一部は、全体の症状の強さと関連する傾向があり、また、こうした感覚処理のずれは、感情の鈍さや意欲の低下といった「陰性症状」と呼ばれる特徴の強さとも関係している傾向がありました。