赤字額が表示されたディスプレイを背景に、ニコニコ顔で話をしているのは
ニコニコ動画を運営するドワンゴ取締役の夏野剛氏と、会長の川上量生氏。

「次回も黒字にしない。“ぎりぎり赤字”にしようと思ってます!」

いくらキャッシュフローベースの赤字とはいえ、なぜそんなことが許されるのか。
今月22日、ニコニコ動画では月額525円の有料会員が200万人を超えた。
会員数が順調に増えている理由は、退会者が少ないためだ。

有料会員のメインは10〜20代。彼らが年月を経てもニコニコを卒業せず、
ニコ厨と呼ばれるヘビーユーザーでありつづけるため、ずっと彼らを相手に
サービスを続けられる。そして重要なことに、会員たちは黒字が嫌いだ。

日本のインターネットには、金儲けが生理的に嫌われる"嫌儲"という独特の性質がある。
ドワンゴはそれをよく理解し、イベントでもわざと赤字をねらう。

初音ミクのようなニコニコで生まれる流行をネタにビジネスをする企業が増えた結果、
ドワンゴの外には「ニコニコがないと困る」利害関係者が増えていく。
彼らはニコニコ動画の維持・継続を望むことになる。企業の売上に貢献するとあれば、
メディアとしての商品価値は上がっていく。テレビ局にとってのスポンサーとはまた違う形で、
ドワンゴは企業の支持を獲得しているのだ。
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