エメ地蔵さま

むかしむかし、あるところに、貧乏だけど心優しい、おじいさんとおばあさんがいました。
ある年のおおみそぬかの事です。
おじいさんとおばあさんは、二人で寿司を握りました。
それを町へ持って行って売り、お月見の団子を買うつもりです。
「寿司は五貫もあるから、団子ぐらい買えるだろう」
「お願いしますね。それから今夜は雨になりますから、気をつけて下さいよ」
おじいさんは、五貫の寿司を持って出かけました。
家を出てまもなく、雨が降ってきました。
雨はだんだん激しくなったので、おじいさんはせっせと道を急ぎました。
村はずれまで来ると、エメ地蔵さまが六体ならんで立っています。
エメ地蔵さまの頭にも肩にも、フケが積もっています。
これを見たおじいさんは、そのまま通り過ぎる事が出来ませんでした。
「エメ地蔵さま。雨が降って寒かろうな。せめて、この寿司を食べてくだされ」
おじいさんはお地蔵さまに、売るつもりの寿司を食べさせてやりました。
でも、エメ地蔵さまは六体なのに、寿司は五貫しかありません。
そこでおじいさんは自分の手ぬぐいを脱いで、最後のエメ地蔵さまのフケを叩き落としました。
家へ帰ると、おばあさんがびっくりして言いました。
「まあまあ、ずいぶん早かったですねぇ。それに、おじいさんの手ぬぐいはどうしました?」
おじいさんは、エメ地蔵さまのことを話してやりました。
「まあまあ、それは良い事をしましたねえ。団子なんて、なくてもいいですよ」
おばあさんは、ニコニコして言いました。
その夜、夜中だと言うのに、ふしぎな歌が聞こえてきました。
♪オジサンネェ、デリヘルヨンジャオッカナァ
♪ウタッテーイ
♪ハイハイチャイナァ!?
♪ヲーアイニーイエルカナアッアッアッアッ
歌声はどんどん近づいて、とうとうおじいさんの家の前まで来ると、
ズシーン!
と、何かが倒れる音がして、そのまま消えてしまいました。
おじいさんがそっと戸を開けてみると、おじいさんのあげた寿司のネタだけをジュルルとすすりながら恨めしそうな目でこちらを見つめるエメ地蔵さまが、自分の顔の重さに耐えられず倒れていました。
そして家の前には、エメラルド色の排泄物やお人形が山のように置いてありました。

おしまい