『たまには、夜更けに恋愛の話でも。
大学時代、好きだった先輩がいました。
ちょっと、影のある人で、目つきも愛想も悪かったから、恐れていた人もたくさんいたのだけれど、
年よりすごく幼く見えて、女性と見紛うような綺麗な顔で、透き通るように白い肌で、
私は結構なついてて、結構、怒られたり
いじられたりするのが楽しみでした。
その人はいつも私の事を、
「お前大体苦労してないじゃん。なにその幸せそうに肥えた顔」と言っていて、
その人もやがて卒業し、それから数ヶ月して、その人が部室に遊びにきました。
しばらくはぶりに会った私を見て、その人は言いました。
「お前、まだ幸せそうな顔をしてるな。もっと、苦労しなさい。」と。
その後、親も単身で家庭にいろいろあり、兄ちゃんが大きな事故を起こし、
友人が精神的におかしくなって、私は大学中退の憂き目にあい、
その人との接点もなくなってしまいましたが、もし、今その人に会ったなら、
私の顔に、どういった評価をつけるのかな、と、時々ふと思うのです。』