今にも折れそうな細い腰に回した手でその上体を支えながら深淵を抱き寄せるしりり
しりりの腕に身を委ねつつ、その顔を見つめ返していた深淵の目が静かに閉じられる

ふいに、玄関のドアがバァン!と大きな音を立てて開いた
二人が目を向けると、そこには外界の光を背にしてくっきりと輪郭を浮かび上がらせた
れむっふの姿があった

突然の闖入者に驚いて思わずよりいっそう固く身を寄せ合うしりりと深淵
(まさか、ここまで進展していたなんて……想定外れむ!)
その様子に内心動揺して口元を引き攣らせながらも、どうにか目だけで微笑むことに
成功したれむっふがおどけた調子で呟く
「へぇ〜え……?w」
その残忍な響きを敏感に感じ取った深淵は、しりりの腕の中で思わずすくみあがった

・・・

拾い集めた衣服を胸の前でかき合わせ、しりりの傍らにうずくまって顔を伏せる深淵
そのむき出しの肩と背中は時折しゃくり上げるように震えた
れむっふは「勝手知ったる」とばかりに靴を脱ぎ、後ろ手にドアを閉めて上がり込んだ
「お前、何しに来たんだよ……」
ほんの数分前、深淵に言ったばかりの言葉を今度はれむっふに向かって繰り返した

「なんかしりり君ってぇ、最近れむちゃに冷たいじゃん?そんでちょっと気になってさぁ」
「それは……お前のほうが(俺が身バレして急によそよそしくなったのはそっちだろ)」
後に続くはずの言葉は声にならなかった
「何のことれむ〜?(半笑い)……で、久しぶりにこ↑こ↓寄らせてもらったってワケ。」

れむっふから発せられた「久しぶり」の語に反応して、深淵の肩がビクッと大きく震える
「なんかもう懐かしいれむねぇ〜。音MDMのときは毎日のように通い詰めだったから。」
「……おい、やめろ。」
「え、なんかマズいこと言っちゃったれむか?(半笑い)あのときは合作のためとはいえ
この部屋でしりりくんと色々あったれむねぇ……」
「やめろっつってんだろ……!」
「れむが『今日はもう帰して。』って泣いてるのに何度も(動画のリテイク)求めてきたり。」

深淵は衣服の束に手を突っ込んで、スカートのポケットからオルファを探り当てたようだ